大分県警・別府警察署の刑事さんが「検視」のセミナー
11月7日、別府市社会福祉協議会主催「市民後見人養成講座」のフォローアップ研修でお話させていただきました。
当日は3部構成で第1講は別府警察署の刑事さんによる「検視」、第2講は僕が担当した「葬儀」、第3講は司法書士・行政書士さんによる「受任後の実務と後見終局時の業務」がテーマでした。
第1講で別府警察署の刑事さんからお聞きした「検視」についてまとめます。
冒頭、「検視とは何か」ということで、詳しく解説いただきました。
刑事訴訟法と死因身元調査法が法的な根拠であり、異状死体を発見した時は、その捜査や調査をしなければなりません。
その第一の目的は犯罪死の見逃し防止です。
異状死とは一般的に、交通事故・転倒・転落・溺水・火災・窒息・中毒・感電・自殺・他殺などによる外因による死亡。死因が明らかでない死亡のことを指すそうです。
また、検視が必要な場合と、必要がない場合があるとお聞きしました。
自宅内で倒れていたというケースでは、その大半が死因が明らかではないため、検視が必要になるそうです。
病院搬送された場合、AIや血液検査などの結果によっては医師が検視は不要と判断することもあるようです。
●検視の流れ
①必要に応じて現場保存や鑑識活動を実施
他者の介在がないかなど調べる。
②ご家族や第一発見者から事情聴取
質問項目は生前の状況、収入、病気の有無、生命保険加入の有無など。
※詳しく聞くため心苦しい場面もあるそうです。捜査に必要なことなので、ご協力をお願いしますとお話しされていました。
③ご遺体の状況確認
必要に応じて、ご遺体を預かって死因確認の捜査をします。
④医師の検案
ご遺体の確認は医師とともに行い、最終的に医師が埋葬手続きに必要な「死体検案書」を作成します。検視後はご家族に検視結果を説明します。
※解剖医による解剖を行うこともある。
●検視の費用
警察活動なので、ご遺族関係者が費用負担することはありません。
ただ、死体検案書については、医師が作成するものであり費用がかかります。
各病院ごとに費用は異なります。
●検視にかかる時間
お身体の状況や亡くなられた状況によって捜査活動に相当な時間を要します。
数時間から数日かかるケースもあります。
最後は孤独死・孤立死を防止するため、警察からのお願いとして「①ご家族の把握②積極的な声かけ③普段の生活状況・持病の把握などが大切」と締めくくられました。
なかなか現場の刑事さんのお話を聞く機会はないので非常に参考になりました。
警察署へお迎えに行くことは私たちにとって特別珍しいことではありません。
より良い葬送のためにも、今回の学びをスタッフ間で共有したいと思います。
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