家族葬エピソード999:「香水の残り香がふわっと香り...」
昨年、雪の積もる寒い日にお父様を見送り、今回秋風の吹く肌寒くなってきた季節に、
お母様のお見送りとなりました。
続けてのお見送りに、
「父が早く母に会いたかったんでしょうね...寂しかったのかもしれないですね...。」
と、おっしゃった喪主様は寂しそうにご遺影写真を見つめてらっしゃいました。
今回お手伝いさせて頂きましたお式の故人様は80代の女性の方でございました。
喪主様はご長男様がつとめられました。
お洒落で、華やかなものがお好きだった故人様。
ご遺影写真は当時流行っていたお気に入りの赤いツーピースを着られたお写真でおつくりいたしました。
カラオケや社交ダンスもお好きで良く行かれておられたそうです。
メモリアルコーナーには旦那様とご一緒に写真館で撮られた記念写真を飾らせて頂きました。
カラオケや社交ダンスなど流行りの物に敏感で色々なことにチャレンジされ楽しまれていたそうです。
お式は近いご親族様で執り行なわれました。
華やかなものがお好きだった故人様のために祭壇のお花と皆様から頂いたスタンドのお花は、
すべてお棺の中にお声を掛けながら入れて頂き、お好きだったうなぎの蒲焼も納めて頂きました。
最後に、ずっと愛用されていた香水を掛けて差し上げ皆様でお蓋を掛けご閉棺させて頂きました。
秋晴れの爽やかな風の吹く中のご出棺でございました。
香水の残り香がふわっと香り、行く先で旦那様がきっと見つけて下さるだろうな...
と思いながら手を合わせお見送り致しました。