家族葬エピソード891：「向こうで家族と会えたやろうか...」
「家族と会えたやろうか」
故人様は70代の男性の方。
明るく人懐っこい性格で仕事にも真面目な方だったとお伺い致しました。
車の整備や改造がお好きでお休みの日には1日中車を触っていたそうです。
奥様とお子様が先にお亡くなりになり喪主を務められたのはお兄様でした。
喪主様が、
「家族がいなくなってあいつが1人になってしまった時に家を引き払って一緒に暮らそうって誘ったけど、
家族の思い出がある家から離れたくないって言われた」
と当時のお話をしてくださいました。
ご家族の思い出と一緒に過ごされたご自宅でお一人で生活をされていた故人様。
ご病気が分かり入院生活になるまでは家を守られていたそうです。
遠方よりご親戚も駆けつけられ、
「頑張ったなぁ」「ゆっくり休んでな」
と労いのお言葉をかけられておりました。
最後のお別れではたくさんのお花とお好きだったお寿司とお酒、
そしてご家族のお写真をお柩にお供えされご閉棺となりました。
涙雨がポツリと降り始めたご出棺の時...
喪主様が霊柩車に乗られる際、
「向こうで家族と会えたやろうか...」
と呟かれているのがとても印象に残っております。
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