家族葬エピソード83:「それまでは、側に置いときたい」
内縁のご主人と、故人様の妹様お二人だけでのお別れでした。
20年間、一緒に住まわれていて7歳年上の姉さん女房でした。
「年上やけど、ホントに可愛い人で、わしの方が惚れてたんや」
と、お体を優しく撫でながらお話しをされて
「あんたが、おらんなったらわしはどうしたらいいんかのぉ、」
と、涙をふきなから、肩を震わせて悲しむお姿は、とても小さくみえました。
お寺様は呼ばずに、一緒にいて最後はゆっくり過ごしたいというお別れでした。
お別れ前日に喪主様から、
「お骨は、墓にいれんといけないのか?側に置いといてもいいのか?」
と、尋ねられ
「通常は、忌明け後に納骨ですが、喪主様のお気持ちがまだ側に置いときたいと、思えば置いといてもよいと思います。
そろそろ、納骨しようかと思えるときでよいのではないでしょうか」
と、お伝えしました。
実はお二人で入るために夫婦墓を、用意してるらしく
「自分が亡くなったときに二人のお骨を、一緒にいれて欲しい。
それまでは、側に置いときたい」
というご希望でした。
「それであれば、妹様に、ご相談されてみては?」
とお伝えしました。
お別れ当日、お花をいれてのお別れも涙涙で、みているこちらも胸がしめつけられるようでした。
出棺時に、喪主様が少し微笑んで
「お骨は、二人一緒にいれてくれると、妹が約束してくれた。
心配せんでいい!と、言ってくれた。ゆっくりお別れができた。よかった、ホントにありがとう」
と、お言葉をいただきました。
人の愛情の深さにふれ、相手を想い慈しむというお気持ちは、どんな状況においてもかわりはない、と教えていただきました。
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