家族葬エピソード80：「笑っているように見えますね」：家族葬エピソード｜【公式】大分市・別府市・豊後大野市での家族葬・葬儀・葬式なら備庵（ビアン・びあん）・判田台会館

家族葬エピソード80：「笑っているように見えますね」

今回お手伝いをさせていただいた故人様は90代女性でした。
喪主は娘様がお務めになられ、お孫様を含め3名でのお別れでした。

遺影写真用にとお預かりしたお写真は、花束を手に持ち笑顔いっぱいの故人様で、
こちらも自然と笑みが溢れるようなとても素敵なお写真でした。

出来上がった遺影写真をご確認いただき
「とても良いお写真ですね」
とお声かけしたら、
「そうですよね。施設で撮ってもらった写真なんですよ。良い写真が残ってました」
と、とても満足のご様子で喜ばれておりました。

故人様が入所していた施設に飾られていた、お孫様が赤ちゃんの頃からのお写真などの思い出の写真を、お柩のまわりに飾らせていただきました。

故人様は生前、お花がとてもお好きだったとうかがっておりましたので、祭壇のお花を多めに用意させていただきました。
遺影写真の笑顔と色鮮やかな祭壇のお花が、お花畑で笑っているような感じでとても良く合っていて
「おばあちゃん花が好きやったけん、嬉しいやろうなぁ」
と祭壇をじっと見つめられていたのが印象的でした。

「こんなに豪華にしていただいて本当にありがとうございます」
とお言葉をいただけ、少しでもお気持ちに寄り添うことができていたら嬉しいなと思いました。

ご葬儀当日の朝、ご挨拶に伺うと
「ゆっくり過ぎる程、ゆっくりできました。ありがとうございました」
とお声をかけてくださり、今まで一緒に過ごせなかった時間を埋めるように、故人様のお側にずっと寄り添われてお過ごしになっていたのを見て感じておりましたので、いただいたお言葉に安心いたしました。

最後、祭壇のお花をお柩の中へ入れていただきながら故人様のお顔まわりにお花が入ると、故人様の表情が柔らかく笑っているように見え
「笑っているように見えますね」
とお声をかけたら
「本当に笑ってるみたい」
と涙を流されました。

今までしてあげたかった事がたくさんあったご様子で、
「何もしてやれんでごめんね...」
と嗚咽を漏らし後悔を口にされました。

大切な方とのお別れは大変辛いものですが、最後はみなさまで
「ありがとう」
と感謝の想いを言葉にのせ、ご出棺となりました。