家族葬エピソード796：「父にも食べてもらいたくて」：家族葬エピソード｜【公式】大分市・別府市・豊後大野市での家族葬・葬儀・葬式なら備庵（ビアン・びあん）・判田台会館

家族葬エピソード796：「父にも食べてもらいたくて」

ご家族のご希望で、ご自宅でお式をさせていただきました。
式場となるお部屋には、お花が飾られその前に置かれた御遺影の中の故人様は和かなご表情をされておりました。
お部屋の前には、故人様が可愛いがっていた愛犬のお写真が飾られていました。

通夜式が開式する直前まで、ご近所の方々がたくさんお参りに来てくださり、
ご家族様も忙しくご対応されていました。
そのご様子に、故人様がご近所の方々に慕われていたのを強く感じる事が出来ました。

通夜式が終わり、翌日の葬儀式の前にもたくさんの方々が最後のお別れに来られました。
ご葬儀の準備をさせていただいていると、
「これも柩へ入れたいんですが、どうしたら良いですか？」
と娘様から差し出されたのは、お皿に取り分けられた卵焼きでした。
お話しを伺うと、
「朝ごはんに卵焼きが有ると喜んでいたんです。
だから今日も作って皆で食べたから、父にも食べてもらいたくて」
と話してくださいました。
「ラップで包んで、最後にご一緒にお柩へ入れられてはいかがでしょうか？」
と私がお応えすると、
「そうします‼」
と嬉しそうに、ラップに包んで持って来てくださいました。

葬儀式が終わり、ご出棺前にお花と共にいつも応援していた阪神タイガースのグッズと、
卵焼きをお柩へとお納めしていただきました。

お柩の蓋が閉じられる前、
「少し待ってください」
そうおっしゃり、連れて来られたのは、故人様の愛犬でした。
故人様との最後のお別れを済まされ、お柩の蓋が閉じられました。
ご自宅の外へと出ると、近隣の方々がたくさんお見送りに出て来られ、
皆様に見守られる中でのご出棺となりました。

故人様とご家族様、ご近所の方々との深く絆が感じられたお式でございました。