家族葬エピソード612：「もう見られない...父の姿」：家族葬エピソード｜【公式】大分市・別府市・豊後大野市での家族葬・葬儀・葬式なら備庵（ビアン・びあん）・判田台会館

家族葬エピソード612：「もう見られない...父の姿」

阪神タイガースの大ファンだった故人様。
お柩の中で眠るそのお姿の傍らには、タイガースの帽子、ウチワ等のグッズが添えられていました。
「いつも次は勝つ、と言って応援してたんですよ。」
とご家族様が故人様のお顔をご覧になり、おっしゃいました。

フルーツがお好きだったと伺い、柿や葡萄、無花果等の旬の果物をご用意させていただきました。
「豪華やね。こんなに食べきれんね。」
とご家族様が嬉しそうにされているご様子に、私も嬉しく思いました。

故人様は少し頑固な性格で、けれどもユーモアのセンスは抜群だったそうです。
お寺の総代をされていた時期もあり、皆様にとって、とても頼りになるお人柄だったそうです。

お式では、総代を務めていたお寺様の御住職がお経をあげてくださいました。
お式の最後、喪主をお務めになられたご長男様が、
「家のいつも座っている席に、当たり前の様に居た父が...
もうそこに座っている姿を見れないと思うと、とても寂しく思います。」
というお言葉に、喪主様、ご家族様のお別れの寂しさを感じ、胸が締め付けられる思いとなりました。

お別れの最後に皆様お一人お一人、故人様の頬を撫でられ...
「ありがとう。」
とお声を掛けられました。

皆様のお心の内を現しているかの様に、静かに雨が降る中でのご出棺でございました...