家族葬エピソード609：「13年間で見せた生き様」
｢余命3ヶ月から13年間...父の精一杯生きる姿は家族の心に残っています｣
若い頃から社交的で友達が多く、学生時代のご友人と旅行を楽しまれるなど、
お仕事もプライベートも活発だったそうです。
病気がわかり闘病生活を続けるなか届いた同窓会の知らせ...
弱っていく体のことを考えると御家族としては見送ることを勧められていたそうですが...
ご本人様が、
｢これがみんなと会える最後かもしれん｣
と、強く参加を希望されご友人のサポートの元楽しい時間を過ごされたと伺いました。
式場には御家族やご友人との思い出のお写真が沢山飾られ、
結婚当初のご夫婦のお写真を見つめながら故人様の奥様が、
｢男前で背が高くて自慢だったんですよ｣
と、照れたように微笑まれる姿がとても印象に残っております。
故人様ご本人が、
｢自分が意識があるうちにちゃんと決めておきたい｣
と、お棺に入れて貰いたいものなどを記したエンディングノートを制作されていたそうで、
喪主を務められた長男様は、
｢頑固で自分が納得するまでやりたい人間だったから言う通りにしておかないと怒られるね｣
と、笑っていらっしゃいました。
故人様の希望で同窓会の様子を撮られたDVDをロビーにて流しておりました。
その中にはしっかりと自分の足で歩き同級生の方たちと握手を交わす故人様の溌剌とした笑顔が映っており、
お参りに来られた同級生の方たちはご覧になられ、
｢楽しかったなぁ｣
と、目に涙を浮かべながら別れを惜しまれておりました。
喪主様の挨拶ではご家族の思い出と、
余命宣告を受けてから家族としてどう支えていくのかを話し合ったことなどを語られ、
最後には涙で詰まりながらも、
｢父が最後の13年間で見せた生き様は自分を始め孫たちの心に刻まれています。
親父、お疲れ様。ありがとう｣
と、締めくくられ...ご出棺となりました。
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