家族葬エピソード572：「再び会うことは無いんだ...」：家族葬エピソード｜【公式】大分市・別府市・豊後大野市での家族葬・葬儀・葬式なら備庵（ビアン・びあん）・判田台会館

家族葬エピソード572：「再び会うことは無いんだ...」

故人様は60代の男性の方でした。

誰に対しても優しく時に厳しく、とても広い心の持ち主であったと懇意にされていたお寺様が、
ご法話の時そう仰っていました。
お話が進むにつれ喪主であるお子様は俯き、しだいに涙があふれだしました。

朝、お迎えに伺った時、お打ち合わせを進める担当者の声がまるで届いていないように、
私どもの問いかけにも「はぁ...そうですね」「あ...はい...」と繰り返されていました。
お父様の突然の死にただただ呆然としていたのでしょう。
時間が経つにつれお参りの方の対応、今後の段取りなど、喪主として忙しくされ始めました。
私たちスタッフも少しでもお手伝いができるよう、お側にいる様につとめました。

通夜式がはじまり少しだけ緊張感が和らいだ時、お寺様のお言葉が心に届き改めて、
お父様の死を実感したそうでした。

「再び会うことは無いんだ...という思いが込み上げ、涙が止まらなくなってしまった」
と、喪主様のご挨拶の時、今までの心情を切々とおはなしされていました。
周りの方々もそんな喪主様のお話を頷きながら、あたたかくお聞きになっていました。

葬儀の日、朝ご挨拶に伺うと昨日とは全く違った様子の喪主様がいらっしゃいました。
一晩、ご兄弟や親戚の方々とお話をされて気持ちが和らいだそうです。
（皆様がいてくださって本当に良かった）

出棺の時、霊柩車に同乗した喪主様は少しだけはにかんだようなお顔で会釈されていました。