家族葬エピソード509：「棺の中に涙は入れんよ。悲しくなるからね」：家族葬エピソード｜【公式】大分市・別府市・豊後大野市での家族葬・葬儀・葬式なら備庵（ビアン・びあん）・判田台会館

家族葬エピソード509：「棺の中に涙は入れんよ。悲しくなるからね」

｢疲れたよね。頑張ったもんね、ゆっくり休んで｣
長い闘病生活を共に過ごされた故人様と奥様。
｢顔を見ると起きてくれそうな気がして見れない｣
そうお話された奥様でしたが、1晩一緒に過ごされ、朝はお柩の近くに座られ思い出を1つ1つ、故人様とお話をされておりました。
若くして見つかった病気と戦い続けた結婚生活だったそうで、
｢辛いことばかりではなかったんですよ。
2人で過ごす毎日がこんなにも幸せなんだと思わせてくれたから｣
、とお話してくださる奥様のご表情が穏やかだったのが、とても印象に残っております。
納棺の時にはお好きだったチョコレートと故人様が闘病を通して感じたことを綴った小説をお供えされました。
60代...お早いお別れに故人様のお母様も施設から来られ、
｢なんであんたが先に行くんや、奥さん1人にして。｣
と、涙ながらに声をかけられると奥様も泣き崩れられました。
お式が終わり奥様が、
｢大好きな彼に恥じぬようにしっかりと生きていきます｣
と、芯の通った声でご挨拶されました。
お花入れではたくさんのお花と奥様が綴ったお手紙を入れられ、
｢棺の中に涙は入れんよ。悲しくなるからね｣
と、笑顔でお別れをなさいました。