家族葬エピソード496：「渡されたバトン」：家族葬エピソード｜【公式】大分市・別府市・豊後大野市での家族葬・葬儀・葬式なら備庵（ビアン・びあん）・判田台会館

家族葬エピソード496：「渡されたバトン」

祭壇に飾られたのは、満面の笑みの故人様のお写真でした。
奥様を2ヵ月前に亡くされた故人様。

まるで、奥様に会いに行かれるかの様に旅立たれました。
式場の思い出コーナーには、たくさんのお写真と、ご家族様皆様からの寄せ書きが飾られていました。
どのお写真にも、嬉しそうな笑顔の故人様のお姿がありました。
お写真をご覧になりながら、
「あまり笑顔の写真が無かったんです。探すの大変でした。」
とご家族様がおっしゃりました。
ご家族様が一生懸命にお写真を選ばれているお姿が目に浮かぶ様でした。
通夜の翌朝ご挨拶に伺うと、お孫様がネクタイの締め方を喪主様に教えていただいているお姿がありました。
まだあまり身に着ける機会が無いネクタイ。喪主様がお子様に丁寧にお教えされているお姿に、もしかしたら喪主様もお父様である故人様に教えていただいたのかもしれない。
と胸の内が温かくなりました。

お式中、皆様がお別れを惜しむ様にゆっくりとお焼香をされているのがとても印象的でした。
お式が終わり、最後のお別れでは、お柩いっぱいに、お花と大切にされていた品々がご親族様の手により、納められました。

小雨が降る中のご出棺。お見送りをしながら、故人様から渡されたバトンを喪主様がお子様へと受け継がれて行くのを、確かに感じられました。