家族葬エピソード451：｢娘様、孫娘様からのお化粧｣：家族葬エピソード｜【公式】大分市・別府市・豊後大野市での家族葬・葬儀・葬式なら備庵（ビアン・びあん）・判田台会館

家族葬エピソード451：｢娘様、孫娘様からのお化粧｣

費用の関係で火葬のみでお願いしたいと、ご相談にみえたのは娘様でした。

仕事をなくし、子供を抱え、お母さんには申し訳ないけど、、と深刻なご様子でした。
私は
「そのお気持ちは、ちゃんとお母様には伝わるでしょうし、わかっていただけますよ」
と少しでもお気持ちが軽くなればと、、とお声をかけました。

娘様も、うんうんとうなずき少し安堵されたご様子でした。

お母様が、亡くなられたとの連絡がありました。

娘様が近くにこられ
「あれから、叔母にも相談して、やっぱりお経をあげてもらおうと言う事になりました」
と少し微笑んで伝えてくれました。
費用はなるべく抑え、お見送りは少しでもご満足いただけるようお話をさせていただきました。

お布団にお母様をご安置させていただき、お顔を拝見すると赤みがかり少し血が滲んでいる箇所もありました。
お尋ねすると
「薬で免疫力がおちて、体中に水疱ができたんです。痛そうで可哀想なんです」
と悲しい表情をされていたので、
「少しお化粧をしてあげますか？」
とお聞きしました。
すると、
「いいんですか？是非！」
と嬉しそうにお言葉が返ってきました。

納棺時に時間をとるようにし、化粧道具を用意しました。

娘様が孫娘様に
「お化粧してあげたいんやろ？」
と聞き、始めていただきました。
少しづつファンデーションをおき、眉をかき口紅をぬっていきました。
とても上手にされ、肌の痛々しさは消え穏やかなお顔になりました。

皆様も、
「きれいになった、みちがえるわ！」
「よかったなぁ、おばあちゃん喜んでるよ」
と孫娘様にお声をかけ、初めて笑顔を見せてくれました。

お寺様のお経をいただき、愛用品、お花を集まっていただいた皆様で手向けていただきました。
お気持ちのこもった、お別れとなりました。

娘様からも
「きちんと送ることができてよかった。
どうなることかと思ってました。ありがとうございました」
とお言葉をいただきました。