家族葬エピソード403：｢こんな楽しい人生はない｣：家族葬エピソード｜【公式】大分市・別府市・豊後大野市での家族葬・葬儀・葬式なら備庵（ビアン・びあん）・判田台会館

家族葬エピソード403：｢こんな楽しい人生はない｣

故人様はお誕生日を迎えたばかりのお父様。
病がわかって3ヵ月。
周囲のサポートを受けながら、慣れ親しんだご自宅で最愛の奥様に手を握られ最期の時をお迎えになられました。

ごく最近、お誕生日に撮影されたお写真をご遺影写真に選ばれ、そこには子供様やお孫様に囲まれてとても幸せそうな笑顔のお姿がありました。

式場ロビーに飾らせていただいた思い出コーナー。
笑みが溢れるような故人様のお若い頃のお写真から家族写真まで、歩んでこられた道のりが窺えるものがたくさんあり、皆様の目を引いていました。
お人柄や、記憶の片隅にあった思い出を手繰り寄せるように語り合うお姿や、用意させていただいた折り紙に向かい真剣な表情で想いを綴られ折り鶴にされるお姿を拝見し、とてもあたたかい気持ちになったのを覚えています。

故人様と過ごす最後の夜は、ご家族みなさまの賑やかな声に包まれて、故人様にとってご家族のぬくもりを感じた幸せなひとときだったように思います。

お式も終わる頃、奥様からご家族の皆様へお話しがありました。
『こんな楽しい人生はない』
『子供や孫にも恵まれこんなに幸せでいいんだろうか』
故人様がよく奥様におっしゃっていたお言葉を伝えられると、ご家族おひとりおひとりの名前を呼ばれ
「○○ちゃん(故人様)を大好きでいてくれてありがとう」
と御礼を述べられました。
式場内は別れを惜しむ涙で包まれ、命の尊さをあらためて感じました。
涙をこらえお話しされた奥様のお姿は愛情に溢れ、家族という存在の大切さ、ありがたさをしみじみと感じていらっしゃるように思いました。

お別れの時。
お孫様方も私共スタッフと一緒にお花を摘んだりとお手伝いしてくださり、想いが込められた折り鶴とともに、一輪も余すことなく全てのお花を手向けられ、旅立ちを彩りました。

たくさん涙もしましたが、最後は笑って
「ありがとう」
「がんばったね」
と、おひとりおひとりがお声を掛けられ、ご家族様の愛に包まれた故人様の表情は
『こんなに幸せでいいんだろうか』
と伝わってくるような微笑みを浮かべているように見えました。

芯が強く、とても優しいお人柄で、生きていく上で大切なことを教えてくれた故人様。その背中は今、3人の娘様そしてお孫様へと受け継がれています。