家族葬エピソード385：｢わたし、随分前にお父さんから預かってます｣：家族葬エピソード｜【公式】大分市・別府市・豊後大野市での家族葬・葬儀・葬式なら備庵（ビアン・びあん）・判田台会館

家族葬エピソード385：｢わたし、随分前にお父さんから預かってます｣

さっきまで、元気にお話をしていたご主人が、急に倒れられ意識不明の状態になりました。
どうしてよいか、、、と憔悴しきっている奥様と娘様。

手広くお仕事をされていて、お付き合いも多い。
でも、今の自分達ではその方々がみえても、きちんとした対応ができる自信がない、と頭を抱えられていました。
どのようなお見送りが１番良いかと、話し合い道筋を決めとかないといけないと、言う事でご相談にみえられました。

それから１週間後、ご主人は亡くなられました。

奥様が、悔やまれてならない１番のことが、仕事の更新の為の試験を受け、その合格通知を知ることもなく倒れられたこと。
「自分が合格したことも知らないのよ、、教えてあげたかった、、」
と目頭を抑え、悔しさがみうけられました。

ずっとお元気で家族全員で、協力しながら会社をきりもりしてきた。
「後、20年は頑張れる！」
と話をしていた矢先の出来事。

ご遺影の写真を準備しようと捜していたらご長男の奥様が
「わたし、随分前にお父さんから預かってます」
と、奥様も娘様も知らない事でした。
お二人は驚かれていましたが、10年前のとても生き生きした表情の故人様がそこにはいました。
「なんでやろ？知らんかったわ」
とご用意されていたお写真をみつめ涙されていました。

大きなお仕事も沢山こなされていた故人様。
いつ、何が起こるかわからない、ご家族の為にとご準備されていたのだと感じました。

最後のお別れの時、奥様が合格通知をもって、
「お父さん、合格してたよ！全然勉強しなかったのにすごいな、おめでとう」
とお柩に納められていました。
突然の別れにご家族皆様、まだ、信じられない、といったご様子でした。
お孫様達も、おじいちゃんの為に沢山の言葉を折り鶴にこめ、たむけられていました。

故人様がこれまで大切にお付き合いされていた方々とご家族様、皆様に見守られてのお旅たちとなりました。