家族葬エピソード276:「一世紀を命の限り生き抜いたお母様」
95歳まで娘様とご自宅で過ごし、施設に入られて5年。100歳を超えられてご逝去された故人様。
以前ご親族様が備庵で、ご葬儀をあげられたときにとても気に入っていただき今回のご依頼となりました。
喪主をつとめられたのは、一緒に暮らしていた二女様です。
「戦前戦後を生き抜き、苦しくて辛いこともたくさんあったろうに、社交的で明るくお友達も多かったんですよ!」
と娘様達が、にこやかにおっしゃいました。
「なんでも、ありがたいと言って食べていたけど、羊羹と渋いお茶が1番の好物でした」
とご遺影のお写真を見つめ昔を思い出すようにお話していただきました。
時期的なこともあり、近い方のみでのお別れをと考えられていたようです。
が通夜の前に、
「友達です!」
と言いながら
「2 、3年、会っていないから顔を見たい」
とおっしゃり、故人様の近くまで歩み寄りました。
故人様のお顔を見て
「ずっと会いにいけんで、ゴメンな、、なんか、あんた娘さんみたいな顔になってるやん」
と泣きながら話しかけられていました。
喪主様もよくご存じのご友人でした。
「バァちゃん、きれいにしてもらったんよ!お化粧もしてもらったんで!」
と嬉しそうに
「よく、会いに来てくれた」
と感謝の言葉をかけ、お二人で故人様を囲み思い出話をされていました。
葬儀の前には、また違うご友人がみえられ、別れを惜しみ
「今まで良くしてくれてありがとね、、」
と、泣きながらお声をかけられていさました。
年を重ねても、趣味をもち仲間ができ、その方達が別れを惜しんでくれる、泣いて見送ってくれる、、
故人様は、楽しく素晴らしい人生だったんだろう、と感じられました。
100年、一世紀を命の限り生き抜いたお母様に娘様達は、誇りを持ち涙は流さず明るく見送る!と言われたとおり、優しさに包まれ笑顔で見送るご葬儀となりました。
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