家族葬エピソード227:「父であり...先輩でもあって、親友みたいな...」
花祭壇の前で椅子に掛けられ、ご遺影写真をまっすぐ見つめる哀愁漂う後ろ姿に引き寄せられるように式場へ入り、ご長男様にご挨拶させていただいた後、お柩の中で眠る故人様のお顔を拝見させていただくと、優しそうなとても安らかな表情でした。
お亡くなりになる前、薬の副作用もあり食べたいものが食べられなかった時もあったそうで、お柩の中にはお気に入りのお洋服の他に、お好きだったという納豆やコーヒー等も納められておりました。
口数は少ないけれど、穏やかでとても優しく、悩んだ時にはそっと背中を押してくれたお父様だったという故人様。
「父を亡くした悲しさ、痛みを乗り越えられるかどうか...自信がありません...」
と、想いが込み上げ涙を溢されながら悲痛な思いをご長男様はお話ししてくださいました。
察するに余りあるほどの悲しみの深さが窺え、なんと声を掛けたら良いのか言葉が見つかりませんでした。
そんなご長男様の目尻に光る涙を見つめながらお傍に寄り添っていると、故人様とは親子でありながら同じ道を志した同志でもあったようで
「人生、多くのことを父から学びました」
「父であり...先輩でもあって、親友みたいな...」
と、亡くされたことであらためてかけがえのない大きな存在であったことに気付かされたとお話ししてくださり、親子の深い絆が強く伝わってまいりました。
今回、ご遺族様はご長男様おひとりでのお見送りでした。
できることは全部してあげたいと、祭壇のお花や湯灌も含めたラストメイク、仏衣にお棺、お骨壺等に至るまで全て上質なものをご希望されたご長男様。
ご長男様にとってはかけがえのない偉大なお父様で
「最後は寂しく送りたくなかったんです...」
と、たくさんの色鮮やかなお花に包まれたご遺影写真を見つめられ、お父様のご生涯におけるお仕事に対するご功績や労い、これまでの深い感謝のお気持ちが充分に伝わってまいりました。
花祭壇のまわりには、故人様を偲ぶご供花が式場に収まりきれないほどに届けられ、そして、50通以上ものご弔電も届き、式場内をぐるっと見回したご長男様は「とてもありがたいです」と、送ってくださった方々のお気持ちが嬉しかったようでした。
お通夜ご葬儀とご長男様のご友人の方々が駆けつけ、ご長男様に寄り添い励まされており、ご長男様にとってはとても心強かったのではないかと感じました。
そんな中、故人様のお好きだった鰻弁当を当社よりお供えさせていただきましたら、してあげたかったことの一つがしてあげられたと大変喜んでくださり、私共も良かったとホッとするような気持ちでした。
お式も滞りなく進み、お花入れの際にはご参列くださったご友人の方々とともにたくさんのお花をお柩から溢れんばかりに手向けられ、最後のお別れの時を迎えました。
故人様のお顔をまっすぐに見つめ、時折お顔に触れられたりお顔まわりのお花を綺麗に整えたりと別れを惜しまれる様子が窺え、気持ちに踏ん切りがつくまで待つつもりで心ゆくまでお別れをしてもらおうと、ご参列の方々やスタッフ全員で見守っておりました。
言葉にはされませんでしたが、ご長男様の目やちょっとした動きから故人様に心の中で語り掛けていらっしゃるような、お二人にしかわからない会話をされているように感じ、とても別れが惜しまれる印象的なひとときでした。
ご長男様にどれだけ寄り添えるだろうかと何度も考えさせられた通夜葬儀。
故人様への、形にできる最後の親孝行の想いが込められた切ないお別れでございました。
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