家族葬エピソード152:「最期まで家で過ごしたい」
定年退職後は、民生委員やボランティア活動に精力的に取り組まれ、楽しそうにされていたという故人様。
お顔を拝見させていただくと、真新しい甚平を着られ安らかなお顔をされたお姿がありました。
奥様にお伺いすると、娘様が毎年故人様に贈っていた甚平だそうで「娘が贈ってくれる甚平がとてもお気に入りでね、こればっかり着てたのよ。今年のは袖を通せてなかったから着せてもらったの」と、嬉しそうに微笑まれました。
コロナの影響に配慮し、ごく近い身内の方のみでの家族葬に決められた奥様。
「たくさんの方にお参りしてもらいたかったけど、参列はお断りしたの。主人は寂しいかもしれないけど、たくさんお花をいただいて嬉しい」とおっしゃられ、「とても慕われるお人柄だったんですね」と声を掛けると「そうなのよ。うん、うん」と微笑まれ、たくさん届けられていたご供花を見回し「主人がね、よく草花を採ったりするのが趣味で、主人に見せてもらったたくさんの野花のおかげで私も花が好きになったの」と、たくさんのお花に囲まれた故人様をご覧になりながら故人様との思い出をお話ししてくださいました。
ご夫婦の仲の良いお姿が脳裏に浮かぶようで、奥様とお話しさせていただきながらとても心があたたかくなりました。
お柩の上にお孫様と写るツーショットのお写真が置かれてあり、お孫様と顔を見合わせ慈しむような眼差しでお孫様と戯れる故人様のお姿のお写真に、これからのお孫様の成長をきっと楽しみにされていたんだろうなと思うと胸が痛みました。
式場内ではそのお孫様が元気に走り回り「じいじ!じいじ!」と言いながらお柩で眠る故人様に近付き、お顔を覗こうとするお姿があり、奥様をはじめ娘様も悲しむ余裕もなくお孫様を追いかける姿に、故人様が笑って見守られているような気がいたしました。
そして、これからご遺族様の悲しみを癒してくれる存在がすぐ側に居てくれると、どこか安心した私がいました。
お式が始まる前に、ご遺族・ご親族様で花祭壇を背に集合写真をお撮りしました。
故人様が使われていたというカメラを手にされていた娘様からカメラをお預かりし、撮影した後ご確認いただくと皆様カメラの使い方がわからないようでした。
カメラには故人様が遺された形見で皆様の集合写真が残り、そしてまた、これまで故人様が撮られた思い出の瞬間がそのカメラに収められていると思うと、後からゆっくり見る楽しみが増えたのではと思います。
お式では、ご遺族様ととても縁の深いお寺様は現ご住職とともに前ご住職もご導師としてお越しくださりお経をあげてくださいました。
心でも深く繋がったお寺様との縁にとても感動を覚えました。
お式は滞りなく進み、お式の終わりに奥様は皆様へご挨拶されました。
「生前よく『おふくろより先に逝くかもしれない』と心配して言ってましたが、本当にそうなってしまいました。本当に心残りです。それでも『最期まで家で過ごしたい』という本人の希望が叶えられて本当に良かった...」と涙を堪えながらお話しされ、生前お世話になった皆様へ感謝を伝えられました。
最後のお別れでは、故人様のお好きなお花をたくさん皆様の手で手向けていただきました。
ご高齢のお母様はやるせない表情で故人様のお側でお顔を見つめられ、奥様は何度も涙を拭われながらたくさんお花を入れられました。
「じいじ、キレーイ」とつぶやいたお孫様の言葉を合図に、生前お好きだった数種類のお菓子に、よく読まれていた小説、よく身に付けられていたトレードマークの帽子を納められ、末期の水としてお好きだったコーラをおひとりずつ故人様の口に含ませられ「ありがとう」の想いを言葉にのせ、お寺様も見守る中ご出棺となりました。
よき夫として、よき父として、家族を愛し大切にしてこられた故人様の生きた証をしっかりと心に刻まれたご家族様の想いが故人様に届いていると信じて、安らかな旅立ちを願い私共スタッフ全員で手を合わせお見送りさせていただきました。
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